2012年7月28日土曜日

べーかりん特集・第三回「地底はよいとこ」


今回で既刊分の紹介は終了となります。やっぱり、一年って長いようで短いんですね。つい先日、例大祭が終わったと思ったら、もう夏コミが目の前ですし、現に目の前にはROM版カタログがあるわけで、そろそろイベントそのものの準備もしなければいけません。

さて、前回は『もーっと!! 焼けてますよ ゆうかさん』(以下『も焼け』)が本来の構成から変更になった経緯を書きました。ここで取り上げる『地底でも!! 焼けてますよ ゆうかさん』(以下『地焼け』。例大祭9にて頒布)では、その本来の構成を元にしています。

『地焼け』表紙および裏表紙。「長安っぽくつまりは平安京っぽくヨロシク」という無茶ぶりに応えた街並み。

イベントで一緒に頒布したクリアファイルに使用された画像。オクトーバーフェスト行きたいです。

折角なので「本来の構成」とやらの内容を簡単に書いておきますと、「幽香と咲夜が地底へ視察に行くことになりました。宿泊先はお空が女将をやっている旅館でした」というもので、お空や咲夜の着物姿がデザインされたのも、このためでした。

しかし、『も焼け』の後に改めて作ろうとすると、「どうも幽香がいまいちになってしまう」ということで、現在の『地焼け』の形となった次第です。

『地焼け』より。いざ地底へ! そして安定の咲夜。何をしても絵になるという点では幽香と同じ。
地底本は以前も描いていますし、どうせならちゃんと、「ベーカリー風見をやっている幽香が地底に来たらどうするか」という部分を描きたかったのです。結果として、幽香との距離によってキャラクターを描き分けることができたように思います。

でもなあ……着物姿のお空ちゃんも、もっと見たかったなあ……。

そんな想いは別にするとしても、地底の他の面子については多少なりとも触れておきたいところです。

古明地姉妹、特にさとりの方は以前に描いた地底本の設定を使っているため、お姉ちゃんなのに妹よりも小さい状態になっています。お空と一緒にペット達がやっている旅館でウハウハな予定でしたが、実際の本では色んな色の涙を流すこととなりました。

『地焼け』より。血の涙を流すさとり様。ちなみに第三の目とは無線で繋がってます。
上の方ではお空のことに触れましたが、ワリを食ったのはお燐かもしれません。が、彼女はまだ出番があっただけマシでしょう。

最も不遇だったのはパルスィです。本のあとがき部分でもネタにしていますが、ウェイトレス姿を描かれたものの、出られる場面がキスメで埋められてしまったため、出る機会を逸してしまいました。この場合、パルスィの嫉妬はどこへ向かうんでしょうかね……。

勇儀はかなり美味しい役どころで、かえってここで書くことがなかったりします。

ヤマメはといえば、妙な存在感が出ました。他の方の本や作品を読んでいても思いますが、ヤマメはお姉さんっぽくしても子供っぽくしても活きてくる、面白いキャラクターです。


以前に出した地霊殿本。このブログのために『地焼け』と比べてみたら、なかなか面白いことになりました。

こうしてざっと書いてみて改めて思うのは、地底、ひいては東方地霊殿には独特の魅力があるのだな、ということです。

元々、(ベーカリー風見をやっている)幽香の骨格にも地底が組み込まれているわけで、そうさせたのは多分、幻想郷の中でも特に人為的な要素が強いからではないでしょうか。住んでいる連中もそうですし、旧都自体もそうです。そうした背景の濃さが、今のベーカリー風見にも伝わっているのかもしれません。

次回はいよいよ、夏コミのお知らせになります。サイトの方では既に詳細が上がっていますが、こちらでも細かいこと抜きで、ガシガシと紹介したいと思います。お楽しみに。

2012年7月14日土曜日

べーかりん特集・第二回「華激ノ宴」

みなさん、夏コミの準備は進んでいますか? 行けない方々はエアコミケやTwitter用のネタを考えていますか? 参加するしないに関わらず、イベントというのは何かと気になるものです。

べーかりん本の第二弾、『もーっと!! 焼けてますよ ゆうかさん』(通称:も焼け)が出たのは、幽香オンリーイベントの『華激ノ宴』でした。このイベントが無かったら、べーかりん本は続いていなかったかもしれません。

今回の記事ではこの『華激ノ宴』のイベントでの模様も簡単ながら書きたいと思います。

第二巻の表紙。とにかく幽香幽香幽香で作ったというのがわかりやすい。


1.べーかりん、再び。~本を作るのが決まるまで~

『華激ノ宴』は今年の3月に開催されましたが、3月といえば昨年は博麗神社例大祭が予定されており、それが今年は5月に移りました。昨年の3月について触れるとキリが無いのでここでは省きます。

とにかくまあ、昨年の冬コミから今年の5月まで、イベント予定が空いてしまったわけです。

空いたら空いたでやりたいことはいくらでもあるわけですが、そこで『華激ノ宴』の話が聞こえてきました。

昨年の紅楼夢や冬コミでは、色んなキャラクターがわいわいやる形の本を作らせてもらいましたから、幽香オンリーと聞いたら、幽香のような強めのキャラクター中心の話を作りたくなってきたのでした。

そんなこんなで話を詰めていると、「折角のオンリーなのだから幽香の魅力を詰め込みたい」「色んな幽香本が楽しめるだろうから、こちらも特色のあるものを作りやすい」といった具合になり、最終的に「そうだ、べーかりん本にしよう!」と決まりました。

ですから先に書いたように、この『華激ノ宴』が無かったら『も焼け』は作られていなかったかもしれないのです。

しかし、こうとも言えます。

「オンリーが開かれるほどの幽香の魅力が、この本を作らせたのだ」

自分で書いておいて勘違いっぷりを否めませんが、幽香にだったら勘違いさせられても良いです。

その勘違いパワーは、とうとう『ベーカリー風見マグカップ』なるものまで作らせました。

華激ノ宴用に作ったマグカップはこのデザインなのですが、ショップ委託したものや例大祭で頒布したものとはロゴがちょっと違ってたりします。そちらは前回紹介した紙バッグのロゴと同じものとなっています。


2.焼き過ぎました。~迫る締切~

『華激ノ宴』は初めて開かれるイベントということもあって、イベントの詳細なども徐々に判明していきました。

そんな中、こちらもこちらで原案が組まれ、マグカップも作ることが決まり、盛り上がっていきました。

が、いざネーム作業という段階になって、本来のページ数では締め切りに間に合わないことが判明しました。漫画はガチガチにスケジュール組んで描けるものでもないので、こういうことはままあるわけです。

「だからといって、よりにもよって幽香本で手抜きしたくないし」

原稿危うしの連絡をもらった直後、仕事の移動時間にスマフォでネーム用の書類を再構成したのが功を奏し、その後のネーム作業が順調だったこともあって、本来予定していた地底探訪の前日譚という形で出せることになりました。

マグカップの完成品も出来上がり、後はイベントを待つばかりとなったのです。

構成変更のため泣く泣く削ることとなった、着物姿のお空。今見ても勿体無いやら可愛いやら。

「地底の旅館でくつろいでる咲夜」をイメージした浴衣姿。これもやはり削ることに……。


3.べーかりん、ジャムる。~イベント当日~

『華激ノ宴』の開催は、都内の浜松町にある、産業貿易センターでした。いわゆる都産貿です。

日付は、3月11日。前日に都内に入ったときに思ったことは、「無事に来られて良かった」でした。当日も即売会恒例の、目的地に向かう電車の中で仲間っぽい人達が増えていく状態になり、ほっとしたのを覚えています。

いざイベントが始まってみると大盛況で、「柚子桃ジャムがジャムった」という声が参加者の方から聞こえてくるほど。慣れないグッズ頒布も重なったため、ご迷惑をかけてしまいました。

しかしその後は、忙しさの余韻もあって、楽しく過ごすことができました。イベント側の企画も楽しめましたし、実に充実した時間でした。機会があれば、また参加したいものです。

『華激ノ宴』用に作られたアプリに提供した壁紙画像。ブログのプロフィールに使われているロゴとはやはり違っています。


4.それから

さて、『も焼け』は本来の予定とは違った構成となったため、次の本では本来の形に近いものを採用することとなりました。しかし、そのまま使える部分はあまり無く、下地以外はほぼ全て、一からの作業となったのでした。

それでも『華激ノ宴』での楽しさを本に活かすことができたことで、元気百倍、柚子桃ジャムは例大祭へと突き進んだのです。

地底探訪用に描かれた旅装の幽香。第三巻の巻末にも同じ構図のものがありますが、そちらはジャケット姿ではなくなっています。


2012年7月6日金曜日

べーかりんな紙バッグ

今回はべーかりん特集の本筋とは別の記事です。本筋は夏コミに向けてテンションを上げていく企画ですので、1~2週間に1度更新すると思っておいてもらえればOKです。

さて、何故か話題になっていたので、この記事では柚子桃ジャムで頒布している、ベーカリー風見紙バッグについて取り上げたいと思います。

とりあえずこの写真を見てくれ……。



このボロ机は亡くなったじいちゃんにもらったものなので、かれこれ30年以上は使われているんですが、それはそれとして紙バッグの話です。これは例大祭で頒布させていただいたもので、今年一杯はイベントでの新刊頒布の際に一緒に配る予定になっています

紙バッグにも印刷されている『ベーカリー風見』自体についても説明しておくと、べーかりんが劇中でやっている店です。まあ、本人は「パンはどうせ多めに焼くし、買いたい人は買いに来たらいいじゃない」程度の気持ちでやっています。

シリーズ第一巻『焼けてますよ ゆうかさん』より。妖怪の山の麓の森にあるため、店としての立地は最悪ですが、水が綺麗で涼しいので、パンづくりには適しています。

同じく第一巻より。よくもまあここまでパンを描いたもんです。パン以外のものも混じってますが。

紙バッグの細かな仕様については、製作をお願いした業者さんのサイトを参照してみてください(株式会社オークス様)。

使ってみると結構頑丈で、紐もそう簡単には抜けない構造になっています。実際、例大祭の会場では早速使っている方を何人か見かけましたが、結構パンパンに入れていても壊れてる様子はありませんでした。

参考までに適当な単行本5つを突っ込んでみました(が、5巻目は隠れちゃいました)。

即売会での紙バッグというと、ショルダーバッグの中に折り畳めるトートバッグとかと一緒に入れておくと、いざというときに便利ですね。コンビニとかでも売ってますが、私はお気に入りの服屋さんの紙袋とか取っておいたりしてます。ビニール袋の服屋さんも多いですが、地元のジーンズショップの紙袋はかなり丈夫で、重宝してます

どうもこういう身近なアイテムだと話が脱線しがちですが、ベーカリー風見紙バッグも身近な場面で気軽に使ってもらえるようデザインしてみました。

「本当にベーカリー風見があったら」というコンセプトはマグカップとかも一緒ですが、実際にパンを入れる場合は、もっと全体は細長く、深めにして、マチは広めになるでしょう。同人誌を入れる前提なので、なかなかそうもいきませんでしたが。

今度の夏コミでも頒布予定ですから、自分の手で触ってみてもらえればと思っています。他のサークルさんのもどんなのが出てくるか楽しみですね。